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お金と暮らし

正社員のiDeCo、税金はいくら戻る?課税所得別の節税額と受取時の注意点

会社員のiDeCoで所得税・翌年度の住民税がいくら軽くなるかを課税所得別に比較。月2.3万円を30年積み立てる試算と、退職所得控除・年金受取の注意点を公式資料で解説します。

toco.tools 編集部公開 約8分で読めます
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この記事の内容

いまの税負担を軽くしながら、老後の資産を少しずつ準備できるのがiDeCoです。たとえば課税所得300万円の会社員が年27.6万円を納付する例では、所得税と住民税の軽減は年間約5.58万円。将来の残高だけでなく、受取時まで見通してみましょう。

確定申告で戻るのは、納め過ぎた所得税

iDeCoの掛金は、その年に実際に支払った全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象です。個人の口座から払う会社員は、年末調整か確定申告で適用します。国税庁・掛金控除

年末調整ですでに反映されていれば、同じ掛金の申告でさらに還付されるわけではありません。反映を忘れた場合などは、控除証明書等で払込額を確認し、還付申告で精算できます。給与天引きの事業主払込は、勤務先が給与計算・年末調整に反映します。iDeCo公式・手続き

所得税の還付は、源泉徴収などで納めた税額が限度。住宅ローン控除などで税額が小さい場合も、実際の還付額は変わります。住民税は通常、翌年度の税額が下がる形で反映され、所得税の還付金とは別です。国税庁・還付申告、住民税の仕組み

課税所得別、税金はいくら軽くなる?

下の「課税所得」は額面年収ではありません。給与収入から給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除などを差し引いた、iDeCo控除前の所得税の課税所得です。同じ年収でも、家族構成や他の控除で変わります。

企業年金のない会社員が、2026年中に月23,000円を12回、計276,000円納付した場合の概算です。

iDeCo控除前の課税所得 所得税等の軽減 翌年度の住民税軽減 年間合計
100万円 約14,100円 約27,600円 約41,700円
200万円 約16,600円 約27,600円 約44,200円
300万円 約28,200円 約27,600円 約55,800円
400万円 約56,400円 約27,600円 約84,000円
600万円 約56,400円 約27,600円 約84,000円
800万円 約64,800円 約27,600円 約92,400円
1,000万円 約93,000円 約27,600円 約120,600円

100円単位に四捨五入。他の所得・所得控除は同じで、住宅ローン等の税額控除、住民税の調整控除・超過課税、最終税額の端数処理は除外。所得税等は2026年の復興特別所得税2.1%を含む控除前後の差額、住民税は所得割10%の概算です。均等割等は含みません。

課税所得200万円の例は、控除後172.4万円となり、195万円の税率の境目をまたぐため、掛金全額に10%を掛ける計算にはなりません。国税庁・所得税率

2027年以後は復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税1%になり、所得税への付加税率の合計は2.1%のままです。国税庁・付加税の変更

上限引上げは2026年12月分から

企業年金のない会社員の上限は、2026年11月分までは月23,000円。12月分からは月62,000円となります。企業年金がある場合は事業主掛金等との共通枠なので、全員がiDeCoだけで62,000円を使えるわけではありません。厚生労働省・制度改正

12月分の引落しは2027年1月で、個人払込なら2027年分の所得控除対象です。これから始める人が、2026年分に12か月分を控除できるという意味ではありません。iDeCo公式・引落時期

月2.3万円を30年積み立てたら

ここからは、税額表とは別の将来の積立試算です。30年間の掛金は合計828万円。口座手数料を差し引いた、受取時税引前の残高を比べます。

仮定する年率 30年後の残高
0% 約821万円
3% 約1,320万円
5% 約1,859万円
7% 約2,666万円

初期資産0円・毎月末23,000円・実効年率一定。2027年以降の公表ルールをもとに、加入時2,829円と月186円を30年間一定で適用したモデルです。月186円は運営管理機関手数料0円・信託銀行66円の場合で、口座費用の合計は69,789円。投資信託の信託報酬、物価変動、受取時の税金・給付費用は除外。税軽減額は残高に加えていません。年率は予想ではなく試算条件です。

連合会の手数料は2027年1月26日の引落しから105円→月120円に変わります。公式の手数料改定、手数料の内訳

iDeCoで月2.3万円を30年、年率5%で積み立てた共有カード。受取時税引前の残高は約1,859万円。

シミュレーターと同じ計算の共有カード。口座手数料控除後・受取時税引前の試算です。

月2.3万円・30年・年率5%で試すから、金額や期間を変えられます。所得税率10%の設定は上の課税所得300万円の例に対応します。シミュレーターの節税額は税率一定のモデルなので、200万円のように税率の境目をまたぐ表の計算とは異なります。

一時金で受け取るなら、会社の退職金も確認

iDeCoの老齢一時金には退職所得控除があります。控除年数は原則、掛金を拠出した月数を年に直し、1年未満を切り上げます。運用だけの期間をそのまま足す計算ではありません。

控除の基礎となる年数 退職所得控除
20年以下 40万円×年数(最低80万円)
20年超 800万円+70万円×(年数−20)

仮に30年拠出し、他の退職金との調整がない一般的な例なら控除は1,500万円。2,000万円を一時金で受け取ると、課税退職所得は(2,000万−1,500万)÷2=250万円です。税額そのものではありません。短期加入など、2分の1計算に例外がある場合もあります。国税庁・退職所得、iDeCo公式・控除年数

会社の退職金と同じ年に受け取る場合は合算等の計算があり、別の年でも算定期間の重複が調整されることがあります。

  • iDeCoを先に受け取る場合:2026年1月1日以後に受けたDC老齢一時金は、後の会社退職金の年から見て「前年以前9年内」の受取かを確認します。
  • 会社退職金を先に受け取る場合:後のDC老齢一時金の年から見て「前年以前19年内」の退職金を確認します。

受取年を離すだけで、控除を必ず2回満額使えるわけではありません。過去の受取額や重複期間によっても変わります。国税庁・重複調整のルール

受取前には給付元へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出します。未提出だと受取額の20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算します。20.42%が全員の最終税率という意味ではありません。

年金受取は、公的年金と控除を共有する

年金形式では公的年金等の雑所得となり、国民年金・厚生年金などと合算した年額に公的年金等控除を適用します。iDeCoだけに別枠の控除が付くわけではなく、年齢・年金額・他の所得で計算が変わります。国税庁・公的年金の課税、日本年金機構・控除対象

年金受取による所得が、国民健康保険料や介護保険料などに影響する場合もあります。受け取り方は、税金と保険料を含む手取りで比べましょう。国保の所得算定、介護保険料の所得算定

無理のない金額から、将来を具体的に

iDeCoは原則60歳まで引き出せず、受給開始年齢は加入期間等で変わります。近く使うお金を確保したうえで、続けられる金額を考えましょう。厚生労働省・給付の条件

まずは自分の積立を試すところから。増えた利益が次の利益を生む仕組みは、72の法則と複利の記事で簡単に紹介しています。

制度・税制の確認日:2026年11月5日。記載した施行前の改正と現行制度を区別しています。将来の受取時には制度が変わる可能性があります。

自分の条件で試す

記事で確認した前提をもとに、数字を変えて比べてみましょう。

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オルカン・S&P 500の参考年利で、将来の資産と積立額を試算。

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